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隠れ腎臓病・腎臓病 椿原美治 氏│ためしてガッテン!

ためしてガッテン!(NHK 081112放映)
隠れ腎臓病 について。

「1300万人の新国民病。隠れ腎臓病 恐怖の連鎖」
 ・自分が腎臓病であることに気づいていない「隠れ腎臓病」患者は、全国に1300万人いると言われる。
 ・病気の実態を解明し、いち早く気付くための最新情報もなど。

ためしてガッテン! 出演者は
渡辺えり さん、ラサール石井 さん、山瀬まみ さん。

ためしてガッテン 司会は
立川志の輔 さん、小野文惠アナウンサー。


◆腎臓が原因の病気 について(クイズ)
1)「牛乳や魚などカルシウムをたくさん摂って、骨にいい生活を送っていたのに、骨がスカスカの状態に。骨粗鬆症になってしまった人がいます。どうしてでしょうか?」
2)「鉄分をたくさん摂っていたのに、貧血になってしまった人がいます。どうして貧血になってしまったのでしょうか?」

答)どちらも原因は 腎臓
 ・腎臓の機能が落ちると、骨や血液にまで悪影響が出る。

◆隠れ腎臓病 とは
 ・現在、腎臓の機能が落ちているのに気づいていない人がたくさん見つかっている。
 ─>隠れ腎臓病
  ・推定1300万人
   (50歳以上は5人に1人、70歳以上になると3人に1人)
 ・隠れ腎臓病を放置すると、腎臓がダウンする前に、別の病気になる可能性があることが分かってきた。
  ─>心筋梗塞、脳卒中などで、多くの人が亡くなっている。

◆腎臓病の情報について
 ・「ためしてガッテン」の番組は短い期間のうちに3回も腎臓病をテーマにしている。
 (1回目は去年(2007年)10月、2回目は2008年2月)
 ─>理由は、医学会で「腎臓病」がとても話題になっているため。
 ・「1300万人の新国民病」というタイトルの理由は
  ・「腎臓とは違う病気の大元は腎臓ではないか」ということが次から次へと明らかになってきたため。

◆腎臓 クイズ
渡辺えり さん:「肝臓というのはお酒を飲みすぎたり疲れたりすると弱くなっていくと思うが、腎臓というのは見当が付かないですね」
立川志の輔 さん:「血液をろ過して、老廃物を出すという、いわゆるフィルターみたいなものです」
(渡辺えり さんへのクイズ)
「腎臓の機能が悪化すると人工透析をします。透析の人工フィルターには穴のあいたストローのような細かいフィルターが入っているが、中身は何本か?」
渡辺えり さんの答:「1300万本」

正解)直径0.2ミリのフィルターが1万本
 ・腎臓が働かないと、血液を腕から抜き取って機械に通し、人工のフィルターでろ過する。
  ・人工フィルターを血液が通るときに、老廃物を漉しだすという仕組み。
 ・本物の腎臓の、フィルターに相当する部分は「糸球体」
  ・糸球体は1つの腎臓に約100万個ある。
  ─>糸球体は毛細血管の塊で、血液が通る間に老廃物がろ過される。

(ラサール石井 さんへのクイズ)
「人工透析は、1日4時間。4時間で人工フィルターを通る血液の量は何リットル?」
(ちなみに、人間の身体の血液は5リットル)
ラサール石井 さんの答:「(5リットルの)半分くらい通っているんじゃないですかね?」

正解)人工フィルターを通る血液は50リットル
 ・人工透析の患者は1回約4時間の透析を行う。
  ・すべての血液が10回ろ過される計算になる。
 ・本物の腎臓では、1日1500リットルの血液が流れる。
  ・全身の血液が300回循環する計算。
  (お風呂にすると7杯分くらい)

(山瀬まみ さんへのクイズ)
「レニンの役割は『○○を○げる』?」
山瀬まみ さん:「動きは覚えているんですよ。血液を上げる」

正解)
 ・糸球体が壊れ始めると、残った糸球体でろ過の仕事をしなければならない。
 ─>腎臓自らが、ホルモン「レニン」を分泌する。
  ─>レニンは腎臓から全身に移動。血管がギュッと締め付けられ、血圧が上がる。
   ─>腎臓に集まる血液を増やして、より多くろ過できるようにする。
 (レニンの副作用):高血圧

(解説)
 ・腎臓の機能が低下(自覚症状がない状態でも)、レニンが分泌される。
 ─>高血圧
  ─>全身の血管にダメージ。動脈硬化。
   ─>動脈硬化で血管が細くなり、より高血圧になる。
  (腎臓の機能低下による悪循環)
    ─>突然死などが起こる危険がある。
    ・腎臓の悪化に気付かないまま、心筋梗塞や脳卒中を起こす人が非常に多いのではないかと考えられている。

(腎臓の機能悪化と関係するその他の症状)
 ・骨粗鬆症
 ・貧血

◆「まさか!腎臓が血液を……」
:腎臓の機能低下とその他の症状の関係
(意外な症状に悩む患者さん)
 ・会社員男性、61歳
 ・趣味は海外旅行、食べ歩き。
  ・毎晩のように大阪 南で飲み歩いていた。
 ・自身の健康についての認識は「めちゃめちゃ健康ですよ。イケイケドンドンですわ」

(40歳の健康診断で)
 ・3キロ体重が増えていたが、自分の健康を疑ってはいなかった。
 ─>医師の診断:「貧血」「尿タンパクが出ている」

ご本人:「まさか、こんなよう肥えた俺に貧血やなんて。か弱い女の子がフラフラと倒れるのが貧血やと、そればっかり思ってましたもん」

  ─>(その後)
  ・貧血対策で鉄分摂取。鉄分を多く摂る食生活を続けた。

(症状)
 ・だるさがとれない。
 ・新聞を読む集中力が続かない。
 ・身体が重い。
 ─>貧血の症状がひどくなる一方。
  ─>(病院へ)
   ・医師:「腎臓病がかなり進んでいます」
    ・貧血の原因は、隠れ腎臓病

ご本人:「野菜とかで鉄分が摂れると思ってましたけどね。貧血と腎臓は別もんやと思ってました」

貧血と腎臓病の関係
 ・今、腎性貧血の患者さんが増えている。
  ・2008年の秋、日本透析医学会が治療の方針を発表した。
  (「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイド」(2008年版 日本透析医学会))

<貧血>
 ・血液の赤血球の量が少ない状態。
  ・健康な人の血液と貧血の人の血液を同量採血し、遠心分離機にかけてみると
  ─>貧血の人の血液は、赤血球の量が少ない。
 ・赤血球:身体が必要としている酸素を全身に運ぶ、トラックのような役割を果たしている。
 ─>少なくなると、酸素が行き届かなくなる。
  ─>だるくなる、などの貧血の症状が現れる。

ちなみに、<急性起立性低血圧(脳貧血)>
 ・かよわい女性が倒れるなどのイメージがある、フラッと倒れる症状は、脳貧血。
  ・一時的に脳に血液が流れない状態。
 ─>貧血とはまったく別物。

◆「貧血の腎犯人をあぶり出せ」
:貧血の原因は?
(実験:飯野靖彦 先生(日本医科大学 教授))
(実験)
 ・世界的なスキーヤー、三浦雄一郎 さんが作った施設で、貧血を体験。
  ・酸素が少ない高山を想定して、酸素濃度を下げられるようになっている。
  ─>貧血に似た状態が体験できる。
   ─>血液中に起きる変化を調べる。

 1)前もって採血、血液検査をする。
  (腎臓の専門家も被験者に)
 2)低酸素室へ入る。
  ・高度4000メートルの状態:血液中の酸素濃度は約8割に低下。
 3)100回足し算を繰り返す計算に挑戦。
 ─>4人中3人が正常時に比べて回答時間が長くなった。
  (+18秒、+37秒、+1分40秒、−11秒)
橋本宏 医師(文京動坂診療所 所長):「やっぱりちょっと苦しいですね。連続して計算できないです」
 4)採血。血液検査をする。
 ─>被験者のうち2人で、ホルモン「エリスロポエチン」の量が増えていた。

 「貧血実験後のエリスロポエチンの変化」
  ・ディレクター:25%増
  ・橋本医師:10%増
 ─>エリスロポエチン(EPO)が、腎臓が貧血を惹き起こすメカニズムに深く関わっている。
 ・体内の酸素が減ったとき(貧血になったとき)、このホルモンの濃度が上がっていた。

エリスロポエチン とは  ・骨髄(血液の工場)
  ・赤血球が作られている。
  ─>(貧血で体内の酸素が足りなくなった場合)
   ・腎臓からエリスロポエチンが分泌。骨髄へ。
   ─>赤血球を作らせる指令を出す。
    ─>骨髄で多く赤血球が作られ、貧血が治る。

 ・腎臓の機能が悪化すると
 ─>エリスロポエチンの機能が弱まる。
  ─>骨髄で赤血球が充分に作られなくなる。
   ─>貧血へ。
    ・腎臓の酸素不足
    ─>さらに腎臓悪化へ。

「眠っている状態の健康なマウスを調査」
 ・体内の酸素濃度が分かる特殊な撮影で見ると
 (白い部分:酸素が充分ある部分、青い部分:酸素不足の部分)
 ─>青い部分(酸素不足の部分):身体の両側(腎臓)、尻尾。
  ─>人間も、腎臓は酸素が少ない。

「身体全体が貧血だった場合」
 ・さらに全身が青く(酸素不足の状態)になり、腎臓はさらに青く(さらに酸素不足の状態に)なる。

(解説:南学正臣 医師(東京大学医学部附属病院))
 ・腎臓は酸素の取り込み能力が低い臓器。
 ・常にいっぱい仕事をしなければけいけないけれども、酸素は足りない。
 ─>アップアップしながら仕事をしている、かわいそうな臓器。
  =最近分かってきたこと。
 ・貧血が起きると酸素が足りないところに、もっと酸素が足りなくなる。
 ─>仕事はいっぱいしなければならない。
  ─>腎臓がどんどん疲れてしまい、腎不全になる。

(注意)
 ・鉄分を摂っても貧血が治らない人は、隠れ腎臓病が原因の貧血「腎性貧血」が疑われる。
 ─>病院で検査を受けること。
  ・貧血の治療の薬はある。

◆「活性!活性!腎臓は骨の応援団」
腎臓と骨の関係
 ・腎臓病患者の男性、49歳。
 ・週に3回、人工透析を受けている。
 ・腎臓病が悪化した10年前、予想もしなかった異変に襲われた。
 ─>骨粗鬆症

ご本人:「あなたの骨は70歳と言われ愕然とした。なんでなんだ、という感じ」
 ・それまで、たくさん牛乳を飲むなど、カルシウムは充分に摂っていた。

(解説:横山啓太郎 医師(東京慈恵会医科大学病院))
 ・カルシウムだけを摂ることで「骨がスカスカ」をすべて解消するのは難しい。
 ・実際には、カルシウムの吸収を助けるのは、腎臓で活性化されるビタミンD。
  ・ビタミンDを働かせる重要な役割を腎臓が担っている
   ・食事中から摂ったビタミンDはそのままでは働かない。
   ─>腎臓で、「活性型ビタミンD3」(ホルモンの一種)に変わる。
 ・活性型ビタミンD3は腸に行き、カルシウムを体内に吸収する役割を担う。
 ─>カルシウムは骨に蓄えられる。

(腎臓の機能が低下すると)
 ・活性型ビタミンDが十分に働かなくなる。
 (腎臓病患者さんのCTスキャン画像で見ると)
  ・心臓から出る大動脈に白い部分ができている。
  ─>血管の中に新たに骨ができてしまう。

 (理由)
  ・腎臓が悪いために、活性型ビタミンDが充分に働かなくなる。
  ─>血液中にカルシウムが足りなくなる。
   ─>人間の身体には、常に一定量のカルシウムが血液中に必要。
    ─>足りないカルシウムを、自分の骨を溶かして補う。
     ─>そのときに、他のさまざまな条件が重なってしまうと、骨を溶かして作ったカルシウムが血管に沈着することがある。
     (リン、副甲状腺ホルモンなども関係する)
     = 血管の石灰化
      ・隠れ腎臓病の早い段階から、血管の石灰化が起きることが分かってきた。

腎性骨症
 ・腎臓が悪化すると、活性型ビタミンDがきちんと働かなくなる。
 ─>自分の骨を溶かす。(骨スカスカ)
  ─>血管の石灰化が起きやすくなる。
   ─>毛細血管が集まってできている腎臓にはダメージ。
    ─>腎臓がさらに悪化。

◆「これが肝腎!早期発見の切り札」
:腎臓の機能低下の発見・予防
 ・腎臓は糸球体の集まり
 ・腎臓の糸球体の90%が駄目になってしまうと、人工透析を受けざるを得ない。

(腎臓の機能低下が50%ほど落ちた人が、25%ほどに戻せた症例)
 ・56歳、女性
 ・10年前に糖尿病が進行し、腎臓の機能が50%まで落ちてしまった。
 (自覚症状のない隠れ腎臓病だった)
 ─>食事療法で、腎臓機能が75%まで回復した。
  ・医師の指導を守った食事療法で回復。
 (悪かったときの糸球体)
  ・毛細血管が潰れている部分が多かった。
  ─>(3年後)
   ・毛細血管が潰れている部分が減った。
   (毛細血管が回復してろ過の能力が蘇った)

<食事制限とは?>
 ・医師が指導した食事制限は
  ・1500キロカロリー、塩分7g、タンパク質40g
  ・腎臓病がもっと進んでいると、もっと厳しく制限が必要。
  (症例の患者さんは、目分量での調理で十分守れるので、量ったりせずに料理を作っている)
  ・早く発見したおかげで、これくらいの食事制限で済んでいる。

(担当の医師に聞くと)
原茂子 医師(虎の門病院):「早期に発見して、早期に管理することで、進行を予防できる。しかもそれが10年間治った状態が続いている」

<症例で、隠れ腎臓病を早期発見できた検査は?>
尿タンパク検査
 ・尿タンパク検査キット:薬局などで1000円程度で入手可能。
 ・腎臓の健康度合いが分かる。
 ・3カ月続けて陽性なら、医師に相談する。
  (動いたりした後など、すぐにタンパクが出てしまうので、何度か繰り返して検査する)

(症例では)
 ・普通は腎臓の機能が50%低下程度では、自覚症状がほとんど出ない。
 ─>気付きにくいが、検査で腎臓機能の低下に気付くことができた。
  ─>食事などの生活改善、薬などの治療により、腎臓の機能50%を75%まで戻すことができた。

◆生活 注意点は?
(解説:椿原美治 医師(大阪府立急性期・総合医療センター 腎臓内科))
「腎臓以外の病気が、腎臓に関係するのでは? と気づかれたのは、最近なのですか?」
(解説:椿原美治 医師)
 ・最近、特にアメリカで、心筋梗塞や脳卒中で病院に運び込まれた患者さんの多くが、検査で腎臓の機能低下が発見され、問題になった。
 「糸球体ろ過量」(60歳で人工透析になった腎臓病の患者さんのデータ)
  ・糸球体のろ過量は、悪化直前までは保たれており、ろ過量はほぼ一定。
  ─>急激に悪くなる。
   ・実際にろ過を行っている糸球体の数は、直線的に減少している。
   (40歳くらいから20年くらいで、糸球体は減少。
   ─>ろ過量の低下として出るのは、悪化してから)

「普通に生活していても、腎臓は悪くなっていくのか?」
 ・大抵の人は一生、80歳、90歳になるまで人工透析をしなくて済む。
  だが、誰でも加齢により、すべての臓器は弱ってくる。
  腎臓も何の病気がなくても、弱ってくる。

「腎臓に悪い生活は?」
 ・腎臓機能低下のきっかけの多くは、糖尿病(約4割)、高血圧、メタボなど。
 ─>メタボを防ぐ生活が、隠れ腎臓病を防ぐ

「腎臓の機能がぐっと落ちる原因と経過は?」
 ・高血圧
 ─>骨スカスカ
  ・腎臓は血管が非常に多い臓器なので、腎臓が骨になる。
   (血管がどんどん目詰まりしていく)
  ─>貧血
   ─>心筋梗塞・脳卒中

「若い頃は低血圧だったのに、高血圧になってきた場合、腎臓病を疑った方が良いか?」
 ・高血圧がある場合、腎臓の機能低下を原因の一つの候補として疑う。
  ・腎臓が悪くなくても高血圧は起こるが、高血圧を放置しておくと、腎臓が悪くなる危険がある。

「腎臓の機能低下がさまざまな病気の原因になっているという情報は、全国のお医者さんに浸透していますか?」
 ・専門医は知っているが、「まだ大丈夫」と数値を見て言うお医者さんもいるかもしれない、とのこと。

◆腎臓 検査
:「タンパク尿検査
 ・一番簡単に分かる検査
:「血清クレアチニン検査
 ・血液の検査。身体の中に溜まる毒素の量を量ることにより、腎臓がどのくらい働いているか分かる。
 ・病院で受ける検査。

<大切なこと>
 ・早期発見、早期治療が一番大事なこと。

(最後に一言、として)
椿原美治 医師:「なめんなよ! 腎臓」
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